資料集・アーカイブ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

大学における不織布マスク着用の推奨(2021/9/14)

全国大学保健管理協会・国立大学保健管理施設協議会 学生向けPDF版

 感染力が強い変異株ウイルスの広がりが問題になっている今日においては、より感染防止効果が高い不織布マスク(資料1, 2)の着用を強く求めることがたいへん重要であると考えられます。
 大学における感染防止を徹底し、ひいては社会全体のCOVID-19流行を収束に向けるために、ウレタンマスクではなく不織布マスクの着用を、学生・教職員に対して推奨します。


組織体制関連とメンタルヘルス関連の対応について掲載しました。(2020/10/15)

新型コロナウィルス感染症対策WG(→各種委員会のページへのリンク

各大学がCOVID-19感染症に対して様々な試み・対策を講じていると思われます。本協会では、それらの情報を集約し、協会加盟校全てに発信することが重要と考え、8月にWGを発足しました。ここにあげましたのは、WGに関連する大学その他のヒアリングを8月下旬から9月上旬にかけて行い、その結果を身体面および心理面の2点からまとめたものです。皆様のご参考になれば幸いです。状況は現在も時々刻々と変化しています。今後も極力タイムリーな情報発信ができるように努めて参ります。

組織体制関連 | メンタルヘルス関連

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組織体制関連

■ 9大学(国立6、私立3)からの回答をもとに新型コロナウィルス感染症対策WGが集計

質問1: 新型コロナウイルス感染症対策における大学のリーダーシップ
・新型コロナ対策本部等を設置
・大学としての対応方針、具体的な対応を決定する
  ・ 学生の入構制限、課外活動の制限
  ・ 卒業式の中止、入学式の中止
  ・ 入学試験の実施要領
  ・ 休校とその解除に関する基準の決定
  ・ 学生への支援体制

質問2: 新型コロナウイルス感染症対策における保健管理施設の役割
・COVID-19危機対策本部・WGの構成員・オブザーバーとして大学全体の対策・方針の決定に関与・助言
・学内施設の巡視・視察を行い各部局へ安全衛生対策のアドバイス
・相談窓口
・体調不良者の対応
・出席停止、就業可否判定
・健康観察モニタリング
・授業の手引きや、実習マニュアルなどの作成、情報提供など
・患者発生時のPCR検査(実施もしくは応援)
・スクリーニング検査(PCR検査もしくは抗原検査)

質問3: 対面授業再開に向けて
・大学独自の活動制限指針を作成
・6月頃から実習・実験など一部対面授業開始
・後期から対面授業とオンライン授業(オンデマンド型または同時双方型)を併用して実施
・来日困難な留学生や体調面での不安を抱いている学生等にはオンライン授業を提供
・クラス人数の制限、座席指定
・対面授業とオンライン授業との併用のため、または学内混雑緩和のための授業時間の変更
・通学時のラッシュを避けるため、対面授業の時間割を変更
・対面授業の前後にオンライン授業を受けるための場所の提供

質問4: 研究活動再開について
□研究活動の停止・制限について
・制限・停止されなかった (1/8)
・一時制限されるも順次再開 (7/8)
□研究活動の制限など
<学生>
・卒業研究は全面解禁
・院生は来校時に事前申請
・海外出張は禁止
・国内出張は全国的な感染拡大状況および出張先の状況、業務内容を十分確認した上で指導教員が許可

<教職員>
・教員は教育・研究に必要最小限の場合のみ入構可
・再開内容は実施形態や換気量などに応じて各部局と相談して決定
・研究室内の換気、各員の手洗い、マスク着用の徹底、及び接触や不要不急な滞在時間を削減
・緊急事態宣言解除後においても、在宅勤務及び時差出勤を実施
・学外からアクセス可能な安全対策、感染対策のチェックリストを作成
・不要不急の国内出張は避け、出張先の状況も十分考慮した上で実施
・学会等の研究集会への参加及び主催を禁止
・研究室員が感染者(陽性)となった場合は、研究室の状況により、学年閉鎖、研究室閉鎖を判断

質問5: 課外活動の実施状況
□課外活動は実施しているか
・制限付きで実施(6/8)
・再開準備中(1/8)
・全面禁止(1/8)
□課外活動の規制
・活動レベル規定に応じて、活動再開基準となる案を学内に周知。各団体が独自のガイドライン作成を促し、審査の上、実施方法の修正を求めた上で施設の利用を許可。現時点で、運動量に見合った換気量が得られない屋内施設の部分的使用制限、コンタクトスポーツの部分制限は継続。
・原則として公認団体のみ。感染対策を提出した団体の計画書を医師が確認し、許可できるのもから活動再開。合宿所と部室は使用禁止。更衣室の密を避けるため、合宿所を更衣室にして使用。
・「課外活動実施願」を記載し顧問教員が確認し提出。実施願の中の遵守事項が実施についての報告書も提出。
・運動会所属の部活動の一部再開。活動内容毎に競技団体が策定している感染対策ガイドラインなどを参考に感染対策指針を決定し学生担当理事、タスクフォースの承認をえての再開。
・屋外における活動など一部を除き、課外活動を自粛。
・代表者に講習を実施。屋外での活動を同じ時間帯に1団体に限って許可し再開。課外活動の申請・許可は当面は1ヶ月ごとに更新させる。
・前期は活動停止。9月から再開の予定だったが、8月末の学長副学長会議で再開は行わないことが決定。9月中の感染症WGの討議を経て危機管理委員会で10月1日からの再開が決定。ただし、各団体に注意点を配布し、各団体の学生に課外活動に関連するリスクアセスメント・対策を盛り込んだ再開届、誓約書を記載・提出してもらい、学生課から再開許可証を発行。

質問6: 施設(図書館や部室等々)利用の取り扱い
□図書館
・ほぼ通常レベル(開いてはいるがキャンパスに学生がほとんどいない状態を含む)(3/8)
・人数制限、予約制、居住地による制限など一定の制限のもと利用可能(5/8)
□部室等
・課外活動の制限レベルによる。

質問7: 感染者が出た場合の対応の取り決め(対応手順、公表の有無など)、実例
□対応手順について
・確定している(8/8)   
・手順の学外公表あり(1/8) なし(2/8) 不明(5/8)
□感染者公表の有無
・公表している、する (7/8)
・していない(1/8)
□公表内容についての配慮、制限についてのコメント(3/8)
・個人属性を明かさない、告知内容は確定済み
・公表にあたっての保健所との連携のコメント (2/8)
□実例
・発症例あり(5/8)、なし(2/8)、記載なし(1/8)
・重症例、死亡例 記載なし(8/8)
・クラスター発生例 記載なし(8/8)

メンタルヘルス関連

■ 9大学(国立8、私立1)からの回答を集計(回答は保健管理施設の精神科医による)

質問1: 相談体制について
新型コロナ対策にともない、相談体制の大幅な変更が、
あった(8/9 88.9%)、なかった(1/9 11.1%)
具体的には、
・ 対面の相談・診療からオンライン(電話、メール、Zoom等)を用いた相談にシフトし、相談対応者も在宅勤務の割合が増した。Zoom等での相談では双方の身分確認、情報の取り扱いについての確認・同意を求めるプロセスが加わった。精神科診療のうち、薬を処方しているケースでは、保健管理施設から送付したり、学外での調剤・送付が可能なように院外処方の仕組みが作られた。
・ 初診や薬を処方しているケースでは対面診療を継続した。診察室入室前の手指洗浄、マスク着用、診察室にはビニールカーテンまたはアクリル板を設置した。
・ HP上に、相談行動が苦手な学生を想定してコロナ渦での具体的な不安・困りごとを挙げ、解決法や手がかりを記した表を示した。これにより各窓口と全学的組織との役割分担が明確になった。

質問2: 学生のメンタルヘルスの把握
実態把握のための調査・アンケートを、
実施した(6/9 66.7%)、実施していない(3/9 33.3%)
具体的には、
・ ピアサポートルームがWebベースで学生の実態調査を行い、その結果が公表されている。
 https://ut-psr.net/2020/07/07/stress02/
・ 学部によっては定期的にメンタルヘルスの質問票調査を行い、得点の高い学生はチューター教員が面接の上、保健管理センターを紹介した。新入生の問診票調査では過去2年に比べ抑うつの高得点者が多くなっていた(詳細な分析結果は今後)。4・8月に来談した学生のうちコロナ関連の症状が全体の23%を占めていた。
・ 例年新入生の健康診断時に実施していたメンタルヘルススクリーニングをオンラインで実施した。K6の得点分布は大学生を対象とした先行研究の結果より高くはなく、大多数の新入生の精神的健康度は高いことが窺われた。高得点者にはメールで遠隔相談を勧めた。
・ 例年紙ベースで実施していた新入生の問診を急遽Webベースに切り替えた。抑うつ、不安、希死念慮の項目を挙げた学生については積極的にオンライン面談に導入した。
・ 学生相談室の教員が中心となって行う講義の参加者に向けてアンケート調査を実施した(結果は解析中)。
・ メンタルヘルスに特化したものではないが、オンライン授業や登校自粛下での生活状況に関するアンケート調査が実施された(複数校)。中にはオンライン授業に対する満足度が想定以上に高い結果となった大学もあり、コロナ渦における学生の状況は大学によりかなり相違があることが窺われる。

質問3: 教職員の現状(コンサルテーションを含めて)
経験、印象について、
・ 教職員からのコンサルテーションは減っている印象。おそらく学生の様子が把握できていないためと思われる。
・ 多くの教員が急に導入された遠隔授業の準備に忙殺され、長時間労働を強いられるようになっている。職員もまた、新型コロナ対策に伴う事務業務の急増に忙殺されている。
・ 自身のメンタルヘルスの問題により相談中の教職員は、テレワークの導入により症状の軽減がみられた。
・ 大学病院の高度救命救急センター長から,医療従事者の心のケアについて支援依頼があり,精神科リエゾン担当チームとともに,質問票配布と回収,高得点者には面接勧奨を行なった。学生や教職員への啓発(大学ホームページ等へ掲載)活動を行なった。学生への対応についても記載した。
・ 学生に関するコンサルテーションの件数が大幅に増えたという印象はない。ただ、後期の開始前後から学生の不安定さが目立つように感じられ、それに連動して教職員からの相談や情報共有が増えている。
・ 事務職員では、在宅勤務の併用で業務分担や労務管理上の対応で逆に管理職や一部の職員の負担が増え、極端な長時間労働の例が4-6月にはあった。
・ 教員、職員ともにテレワークから従前の出勤しての就業にシフトしているが、教職員組合を率いる教員からは、「新しい働き方」として今後もテレワークを継続的に実施することが要望されている。
・ ストレスチェックを毎年5月に実施していることから、今年度は正にコロナ渦でのストレスチェックとなった。受検率、高ストレス者率はほぼ例年通り、全体の総合健康リスクも変化なかった。集団分析の結果では、部署によっては「仕事の量」よりは「仕事の質」の悪化が目立ち、オンライン化など通常業務とは異なる職務内容に苦労していることが背景としてあることが窺われた。

質問4: 今後に向けての対策
オンラインによる支援の継続や充実の検討 6/8(75%)
具体的には、
・ 遠隔コミュニケーションツールを用いた自助グループ活動の企画(特に新入生)
・ 「カフェ」的な緩やかな場所をWEB上に設ける(出入り自由,心身の健康や学生生活全般の不安や疑問の解消,センターの周知を目的として)
・ オンライン相談と対面相談の選択が可能となる体制(複数の方式が選べるメリットあり)
・ オンラインのグループ活動・介入(メリットとデメリットを検討する必要あり)
・ 職員へのe-ラーニング(学生対応について)
メンタルヘルスチェックとフォロー体制の充実
・ メンタルヘルスチェックをオンラインで行い,得点の高い学生には遠隔相談をすすめる。
・ 単位がとれなかった学生を見つけ出してフォローする体制を作る
情報発信・啓発活動
・ 特に留学生に向けた情報発信の必要性あり
・ 教職員に向けた研修
・ 全国の状況を把握できれば,情報発信と対策がとりやすいのではないか
・ 新しい生活様式に適応するコツを提示できればと考える

質問5: その他(コロナ禍でのメンタルヘルス相談についての所感・印象)
オンライン相談について
・ オンライン相談を始めることになり,これまで相談に繋がらなかった層が相談に繋がった。コロナ禍が終息したあともオンライン相談は続けたいと考えている。
・ 遠隔カウンセリングは初めての経験だったが,思っていたより有効だと感じている。
・ オンライン(ZOOM)面談の導入は,当初カウンセラーから慎重な意見が多かったが,実際にやってみるとクライエントからも概ね肯定的な評価が多かった(ビデオオフの希望ケースでも電話料金のかからない音声通話のみで面談可能なため,実家帰省している学生には有用)。
・ 職員からのコンサルテーションや,産業医面接での上司同席はZoom面談でメリットが特に大きかったと感じている。
遠隔授業,自粛生活の影響について
・ 遠隔授業が常態化し,学生が一人自宅で学習する機会が大幅に増大したことに伴い,学生の学力格差が助長されている。コロナ禍での大学生活の影響でメンタルヘルス不調をきたすかどうかについても,結局は学生の学力が決定要因になっている印象がある。
・ 不登校傾向のある学生や対人関係に問題を抱える学生にとっては,オンライン授業や自粛生活はプラスに働く面もあったが,授業方法の変更に対応困難となり混乱する,生活リズムがくずれる,調子の悪さに気づけず症状増悪(精神疾患を持つ学生に多い),自粛生活に耐えきれず怒りが爆発といった問題もあった。本来であれば,より丁寧なケアが必要なところであったが,支援側の相談体制も後手にまわったところが反省点である。
・ オンライン授業となることで、これまで対人関係の中で支えられてきたであろうADHD傾向の学生からの相談や、一人で過ごす時間が増えたために浮上してきた自らの課題に取り組み始めたと見立てられる相談が増加した。一方で、ASD傾向に起因する相談や対人関係の相談は減少した。
・ コロナ禍による新しい生活様式をネガティブにとらえる声が大きいが、実際には、それで助かっている学生・教職員も多くいることから、その点を大事にしながら新しい生活様式における心理療法、相談体制、学内ルールができればと思う。
自殺について
・ 精神科に関しては,8月からの自殺や事故死が続いている。例年と比べて多いかどうかは年毎の件数にばらつきがあるので判断できないが,他大学との情報も合わせて考えれば増えているかどうかが今後検証できるかもしれない。
・ 7月に三浦春馬の自死報道後、本学でも同様のことがあった。学生たちが通常以上にSNSなどの影響を受けると思われ、自死の連鎖などが心配である。 
その他
・ 精神疾患の治療,修学支援,就労支援,日常生活のアドバイスなど,それぞれの切り口では対応が可能だが,これらのベースになる希望や人生哲学のようなものが(私たちにも)求められていると感じる。ネガティブケイパビリティという考え方,あるいは今回のコロナ禍をある種の喪失体験として理解するような枠組みが必要かもしれない。
・ 普段から学生を気にかける教員はよりサポートを行い,逆により距離感をとるようになった教員もおり,二極化した印象があった。
・ 前期、大学に学生がおらず顔が見えない中での相談は、支援者の私たちにも不安でいっぱいだった。後期、対面授業が始まり、コロナとの共生がどうなるのだろうと不安がある。

令和3年(2021)

2021年9月14日 大学における不織布マスク着用の推奨を掲載しました。

令和2年(2020)

2020年10月15日 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する組織体制関連とメンタルヘルス関連の対応について掲載しました。
2020年8月7日 全国大学保健管理協会(JUHA)では、新型コロナウィルス感染症対策WGを新たに設定し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる種々の情報等を協会のHP上で共有するための準備をおこなっています(情報が掲載されましたら、会員を対象とした電子メール双方向配信システムでお知らせする予定です)。

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